独自の道を切り開いてきた身長173センチの河村が大きなチャンスをつかんだ。自慢のスピードと独創的なパスで体格のハンディを補い、評価を高めた。ツーウエー契約を勝ち取り、日本選手4人目となるNBAデビューが視野に入った。

 八村(レーカーズ)ら過去3人の日本勢はいずれも大学時代に米国でもまれた。留学未経験の河村は10代の頃はNBAでのプレーは頭になく、憧れの対象に過ぎなかったという。「大きな目標も大事だけれど半年、1年と直近の目標を達成しながらチャレンジする」。高校日本一、日本代表入りと段階を踏んで成長してきた。

 転機は大活躍した2023年のワールドカップ(W杯)だった。大会後にNBAのチームから複数オファーが届き、最高峰のコートが現実的な目標へと変わった。当時は1年後に控えたパリ五輪を優先するためBリーグにとどまり、今回は満を持しての渡米だった。

 全5試合に出たオープン戦では相手の激しい守備に動じず「五輪とか、W杯の経験がすごい生きている」と実感した。小さな体で大きな一歩を踏み出した。(共同)

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